生まれ育った街、故郷、倉敷。
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私はステンドグラスが大好きである。
写真は先日出張した博多の地下街である。
自然の光が差し込むわけではないが、このようなステンドグラスが壁に何十枚も組み込まれている。
思わず写真を。
ヨーロッパを旅した時、シャルトルやストラスブールの大聖堂のステンドグラスを見て以来、その美しさに魅了された。
それまでは、何か古臭いような、あまり興味はなかった。
もちろんパリ近郊で、コルビジェのロンシャンのステンドグラスにも感動したわけだが、、、、
なんせ古くても新しくても、美しい。
それからというもの古民家を再生する時には、チャンスがあれば取り入れている。
そのノスタルジックな感じがとても古民家に合うのだ。西洋と東洋の融合とでも言おうか。
新しいものと古いものを上手く融合する事が古民家を扱う時の面白さなのだが、西洋的なものと東洋的なものの融合もまた面白い。
モダンとレトロの融合もまた然り。
ステンドグラスは本物は高価である。もちろんこだわって本物を入れたいが、建築は予算の塊だ(笑)。当たり前だが、予算を合わせることができなければ建築は成り立たない。
よって、模造でもよしとする。
予算が出ない時は、自腹で入れさせてもらう事もある。
本当にない時は、色ガラスで代用することもある。
光が差した時の美しさは何度見てもいい。
私の好みを許して下さるお施主様にいつも感謝している。
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自然をより身近に感じてもらおうとする設計者の意思を感じる
この手が届く軒の低さ、渋すぎる
設計者が力を注いだ建物は、その出来、不出来に関わらず、その意思を感じ取る事ができる
色んな場所に座り、いろいろな角度で景色を切り取り、感覚を研ぎ澄ます
私も何度もチャレンジしたが、敷居は6本ひをついている
私は最高8本までやった事がある(笑)
悲しいかな、設計者の想いも虚しく、6枚のうちの3枚の建具は、戸袋の中で壊れていた
出来るだけフルオープンにしたい、外と内の曖昧な土間空間
それが気持ちがいい
久しぶり、唸る建物に泊まった
最初はかなり古びた、少し臭いのする空間で、長い時間過ごせるかなとまで思ったのだが、、、
何十年経っても設計者の力量は伝わるし、また造った人の、並々ならぬ仕事ぶりに感服した
願わくば朽ち果てそうなこの建物、旅館の方にその価値をわかってもらいたいと思った
新築当時は相当に美しいものであったろうと思うが、また年月を経て、味のある建物になるよう、メンテナンスをして欲しいと思った
古くなった良さ、というものは確実にあるのである
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現在、築150年以上と思われる古民家を修復している。
屋根を支える大切な部材、隅木。
もう何度この交換を手掛けただろう。
一番難儀をするところであり、技術力が問われる場面だ。
古い隅木はもうボロボロだった。
150年の風雪に耐えて、屋根を支えてきた。
下から見るとまだまだ綺麗で立派。
だか、私の長年の経験から、交換すべし!と判断は早かった。
案の定、材はほとんど空洞化していた。
元と同じように加工する。
少しでも形が異なると元の処へ収まらない。
大工も神経を使うところだ。
いつも不思議に思う。
150年も前、江戸時代の職人がした仕事が目の前にある。
そして、150年前の職人が刻んだ様に、同じように材を刻む。
150年前の職人がやった事を、今の職人が考えて、あぁ、だからここを削ってるのか、、、と納得して、また同じように仕事をする。
それがどうした?と言われれば答えようがないが、私はそういう事が、ものすごく好きなんだと思う。
そうとしか言いようがない。
ロマンを感じるのだ。感動する。
そういう仕事はそうそうあるものではない。
古民家をやっていると、つくづく自分はいい仕事についたと、毎度思う。
そういう仕事を多くさせてもらえている人生に感謝している。
「建築」
は素晴らしい。
この建築も、見事に甦って欲しい。
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本日より仕事始めです。
倉敷と総社、それぞれ一軒づつ、工事着工させて頂きました。
さて、写真は、金毘羅歌舞伎大芝居(金丸座)です。
休み中、見学に行ってきました。
江戸時代にできた芝居小屋がそのまま残っています。
天井裏を見ると鉄骨でかなりの構造補強をしていました。
この日は、担当の方が非常に詳しく解説をしてくれて、大変勉強になりました。
古い建物は、本当に好きです。
特にここは独特の雰囲気があり、
まるで江戸時代にタイムスリップしたような気持になりました。
100年以上も前に、この大空間を柱一本も途中に入れないで、実現している
その設計力と技術力に感心しきりでした。
お正月からいいものを見せて頂けました。
古くて良いものは残していかなければならないと心を新たにしました。
今年もよろしくお願いします。
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旧年中は大変お世話になりました
おかげさまで、昨年で災害復旧も終わり、今年のお正月は、ずいぶん、ゆっくりのんびりと過ごさせて頂いております
鋭気を養い、次なる事業展開と仕事に備えようと思います
本年もよろしくお願い申し上げます
(本社夜景)
※カラーLED照明
自邸で上手くいったので、本社再興で使ってみました
最初は、色が付いている明かりは、目がおかしくなるんじゃないの?などと心配しましたが、案外にいいもので、普通の明かりと混ぜて使うとより自然な形で馴染みます
今後使う所があるんじゃないかと
照明計画は建築において非常に重要で、私も計画に多くの時間をさきますが、今後、間接照明、建築化照明と絡めて、住宅でも使える手法の一つになっていくのではないかと思います
今回の復旧で、LEDについて、かなり研究し、実践しましたから、今後の設計に活かしていこうと思います
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先日、山陽新聞の記者さんが、弊社に来て下さり、取材をして下さいました。
明日、12月29日(日曜日)の朝刊に記事が掲載されるということなので、
よかったらぜひご覧ください。
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突然、あり得ない光景がテレビの画面に広がった。
911テロでアメリカの象徴が崩れ落ちた時と同じくらいの衝撃が走った。
フランスの象徴の一つ、ノートルダム大聖堂。もう1000年近くもそこにある、歴史的建物。
ショックだ。
若かりし頃、二か月、フランスにいた。ここノートルダムの近くに宿を取り、
そこを拠点にフランス全土を旅した。
ノートルダムがある、セーヌ川沿いの景色は、それはそれはどこから見ても西洋絵画そのもので、
景色自体が芸術品である。
その一番のシンボルが・・・。
あの美しいステンドグラスも失われたか・・・。
その喪失感は、新しい建物と比較して、比べられないほど大きい。
それは、歴史的建造物は、二度と同じものは作れないからだ。
それは形としては作れるかもしれないが、
その歴史までは作り直せないからだ。
建築とは儚いものである。あれだけの価値があるもの、多くの人の努力によって守られてきたものが
一瞬にして失われてしまう。
私は、阪神淡路を経験し、我がの事務所も以前、失火で焼失した経験がある。
そして今回の水害でも、多くの建物を失った。
この、二度と取り戻せない、という喪失感。
消防設備はどうなっていたのか、ここまで火災が広がる前に、止められなかったのか。
何もかももう遅いのだ。一度失われたものはもう戻らない。
ノートルダムはフランスを象徴する建物だが、否、フランスというより、我々東洋人にとっては
典型的なヨーロッパを代表する建築物、という認識ではないか・・・。
残念という言葉だけではいい表せない気持ちだ。
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久しぶりに広島に出張した。
仕事の合間に、わずかな時間ができたので、タクシーで直行した。
大好きな広島美術館だ。この美術館は、私の古巣「日建設計」が設計したものだが、建物も素晴らしいが、
展示されている絵が、本当に素晴らしい。
絵は大好きだ。
見ることも描くことも。中学、高校と美術部だった。いろんな絵を描いてきたが、
建築をやるようになって仕事で絵を描くのであまり描かなくなったが、子供の時から、ちょっとスケッチをしても
だいたいパースペクティブな絵になっていたし、まわりからはずいぶん褒められたり、賞をいただいたりしたものだ。
特に練習した記憶もない。手前味噌で心苦しいが、こればっかしは生まれながらの才能であろう。
いい絵を見ると癒される。絵とは、美とは、それは癒しである。
災害復旧で、自分では気づかないうちに、疲れているのだろう。だからこそ、絵を見て涙が出るほど、ため息が出て、癒される。
物を造る者にとって、絵を見て感動するという感性は非常に大切である。
また、美しい絵を見ることで、感性は磨かれる。
丸い外観の建物は、中もその通り、円を描きながら回遊する。館内は全て優しい光がで彩られている。
一つの絵の前に30分以上いた。
ここは本当に優しい絵がたくさんある。
私はシャガールが大好きなのだが、あの淡い微妙な色使いは、印刷を見てもわからない、伝わらない。真筆を見て、初めてこのように描いてあるのかと感動する。そして本当の色が伝わってくる。
印刷はどんなに巧妙にできていてもやはり力がない。
私は絵画を購入するときは、あまり高名な画家の絵は買えないとしても、できるだけ真筆を買うようにしている。もちろん美術館にあるような絵は、印刷を買うしかないが、あまり伝わってこない。
絵には描いた人の人生のすべてが注ぎ込まれている気がするのだ。そこから何か心に響いてくる。
絵を見るのに、難しい知識はいらない。心で感じるままでよい。
一番大事なのは自分が好きかどうかということだ。
そうやってできるだけ、忙しい仕事人生の中でも本物を見て、感性を磨く努力を若い時から続けてきた。
才能は生まれつきのところが大きいが、センスは努力によって磨かれる。
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