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2011.11.05

山里深い、古民家を再生します。

P1000258 先日調査に行ってきた古民家です。大変山里深い場所にあるお宅の離れで、平屋です。

小さなお堂のような建物で、お寺のように廻り縁があり、出格子には彫刻も施され、建てられた時は相当な手間が入れられているのがわかります。

しかも、現在も現役で使われていることが素晴らしい。他の老朽化した建物は倒すにしても、この建物だけは残したい、ということでした。

建物は使わなくなると一気に老朽化する。また、再生しても保存しているだけではちょっと悲しい。現役で使われ、役にたってこそ、価値があり、建てた先祖も喜ばれると思うのである。

もう少し早く手を入れていればその他の建物もまだ、寿命があったことを思うと、私としては残念だ。ただ、費用のかかることですから、こればっかりはどうすることもできません。

全部は無理でも、このように一部でも、3代も4代も前の祖先が建てたものを再生して使い続け、建てた人の思いを受け継いでいく、そのことに深い意義を感じます。

私はこういう田舎の風景がとても好きです。再生依頼がきて、調査に行くとその建物の周囲を広く散策します。これは仕事というより趣味です。特に今の季節はとても気持ちがいい。

このたびも、鳥の声や、せせらぎの音を聞きながら、1時間ばかり散策しました。道端にお地蔵さんがあったり、歴史を感じさせる建物があったり。舗装されていない道を歩くのがまたいい。その中で周辺の状況を把握し、気づかされることも多い。

そういう風景の中に唐突に現れる、太陽光発電のパネルを載せた、無機質なサイディングでできた家が私は嫌いです。とても嫌な気持ちになる。日本もヨーロッパの街並みが綺麗だという前に、日本の風景を守ろうという姿勢に転換するべきだと思う。

独立当初から、こういう派手さはないが、古いものを地道に治していく、という仕事をたくさんさせてもらっている。雑誌に載せたり、皆様に写真でお見せする、ということもないが、私にとっては今の会社の原点であり、とても大切にしている仕事である。

このような地道な仕事によって一つ一つ学んだことが、私の再生技術・手法、ノウハウの原点になっている。

今回も無事に役目を果たし、今後更に、30年、50年と愛される建物としたい。

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