« 「築250年の家」の犬と古民家再生 | トップページ | ついに吹抜け大空間が出現! »

2012年3月16日 (金曜日)

大分大学紫岳寮(1)

ブログにて私が大学、大学院と6年間過ごした学寮「大分大学紫岳寮」について書いていこうと思います。というのも、今の季節になるとこの寮について思いだすからです。この春先の匂いをかぐと大学へ入学した年を思い出します。もう何十回も春を経験しているのですが、この大学に入った年は人生にとって特別な春だったのでしょう。それか、この大分大学紫岳寮の印象があまりに強くそう思えるのかもしれません。

この私のブログには大分大学の元寮生と思われし方が多くアクセスして下さっているようです。それは私が知らない先輩や後輩も多々おられます。それがこの紫岳寮の良さでしょうか。寮生であったというだけで多くのことが共有されます。

さあ、それはどこの大学の寮でも同じなのでしょうが、紫岳寮は普通の寮とは違います。ただ一緒に共同生活をしたからその絆が生まれた、とかいうレベルのものではありません。サークル活動や部活動の仲間とも全然レベルが違います。

この紫岳寮についてはヤフーなどで検索するとたくさんのホームページや記事にたどり着きます。辞めた人間もたくさんおり、関わった人の人数は莫大です。他の方で詳しい寮の出来事については書かれている方がいるのでそちらに譲るとして。

さて、この紫岳寮が他の共同生活をするだけの寮と異なるのは、人数が300人以上いた、というのもあるが、この年頃、血気盛んな男が「自主管理」「自主運営」の旗印の元、全てを自分たちの頭で考え、行動し、自主的に寮の運営を行う「自治寮」であったことだ。今はその自治権はなくなってしまったそうだが、私が在寮した当時はあらゆる面で独立し、大学ともあくまで対等に協議し、大学の中でも自治を貫いていた。相手が学長であろうが、学部長であろうがひるむものではなかった。

私はその寮で第40代総務委員長(一般的には寮長のこと)を務めた。300人の男が一つ場所で共同生活を送り、しかも全ては自分たちで自主運営されている。となればその統制をとるためにいかなる状態に陥っていたか想像に難くないだろう。今の北朝鮮をみていると、当時の寮はあながちそれと違っていないのではないか?と思う面もある。

私がいた当時は壁の落書きにその名残をみるだけであったが、以前は学生寮は学生運動の巣窟だった。学生会館を占拠したり、大学と激しく対立し、反体制を掲げた。ヘルメットを被って蜂起したり、そういう時代だった。私が在寮した当時は、ずい分時代も違い、当然学生運動などしてはいなかったが、その昔のやり方、名残がたくさん残っていた。

伝統だけで形骸化した行事もあったが、考え方は継承されていて、「緊張感を失えば、大学に自治権を奪われる、全国でも紫岳寮が自治寮として存続し得ているのは、寮生が頑張り、大学に隙を見せないからだ」という考えが浸透していた。教育の機会均等の一端を担うという大きな目標があった。

だから一年生の時から徹底した教育が行われた。耐えられなくて辞める者も多かった。その所業は今行えばほとんど全てが人権蹂躙(じゅうりん)となる行為であったと思う。とんでもない試練を与えられたことによって、紫岳寮生は、外の世界の学生と比べてずいぶん老けた風貌の者が多かったし、いまから思えば貫禄のある先輩が多かった。それだけの集団の中で役員をする者は、人望や、強い意志、体力、男としての器量を求められた。

今の私の考えや、生活態度、会社の運営方針、人生観、政治観などはこの時に養われた。失ったものもあるが、多くのものを得た。一番は深く思考することだろう。夜を徹して討論し、深く考える。その考えるという習慣、そして人の前で自分の考えを表現する方法、そういうものをこの寮で培った。

今の私が、一サラリーマンではなく、独立した経営者であり、誰からも支配されず、下請けなどせず、銀行からも融資を受けず、誰からも指示や文句をいわれない体制で経営をやっているのは、この時に養われた自主性と独立心によるところが大きい。

そして組織の作り方、動かし方、人との協力の仕方、ネットワークや人脈の作り方、人の動かし方、そのほとんど全てを寮で学んだ。いま私の会社は私なりにずい分成功していると思っているが、この寮で上と下との間で揉まれ、悩み、人間の本性を見、人間を深く研究し、達観しなかったら今のような会社経営者の道はなかったのではないかとさえ思うほどである。

今日はこのくらいにして、この紫岳寮シリーズはまたおいおい続けていくつもりです。

|

« 「築250年の家」の犬と古民家再生 | トップページ | ついに吹抜け大空間が出現! »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 大分大学紫岳寮(1):

« 「築250年の家」の犬と古民家再生 | トップページ | ついに吹抜け大空間が出現! »