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2012.09.10

上質な空間~古民家再生から~

P1000097現在古民家再生中の民家の一室ができてきた。300年を経過しているお屋敷をかれこれもう一年以上に渡って再生している。

一期、二期に渡って、来年の夏ごろまでは継続されようから、二年以上に渡る工事になる。

日建設計にいた頃は設計が1~2年、工事がまた1~2年という感じで最初関わってから竣工を見るまでに何年もかかるというのがざらだったが、住宅では珍しかろう。

それもこれも、この古民家再生というもの、手間を気にしていたらできる代物ではない。もう14年近く古民家再生を専門でやってきたが、普通のリフォームなんぞとは全く考え方も、やり方も違う。

手間がかかる、損をするやり方でやればやるほど、面白く、高級で上質な空間となる。ひたすら人力による手間を入れこんでいく。ま、言うなればマニアの世界だ(笑)。好きでないとやれない。趣味に近い。経済社会から離脱している(笑)。

バタバタと工期を縮めて行うと絶対にいいことにならない。既製品を使ったり乾式に頼ることになり、空間が必ず安っぽくなる。レベルの低い人にはわからないが、ちょっと目の肥えた方には即座にわかってしまう。

それと、これこそ各人の感性だろうが、古いものは汚い、というような輩は、まったくの対象外だろう。

若い世代にも受け入れられ、引き継いでいける再生となって初めて資産としての役割を果たす。もちろんコストのことも考えないといけないが、あまりそれを強調するごじんは新築をされることをお勧めする。

古民家再生の設計者には特殊なデザイン力と技術力、知識と経験が要される。一番は経験だ。普通の建物をたくさんやってきたからと言って、軽く手をつけるとけったいなものになる。付け焼刃でできるようなものではない。

古いものの歴史と力を甘く見てはいけない。まずは歴史好き、古いもの好き、でないと再生することに意義を見いだせないだろう。そういう設計者に再生されたものはかわいそうだ。

他者を見ていると、数物件こなしていくうちに馴染むデザインができるようになる人が多い。とはいえ、かく言う私もそうだったのだ。

何事も経験とキャリアがものを言うのだな、と改めて思う。

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