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2018年6月

2018.06.26

古民家を修復するとは

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古民家を修復するとは・・・。

この写真を見て、一般の方はどう思うだろうか。

私にとっては見慣れた光景だが・・・。

一般的には、果たしてこれは修復できるのだろうか?

否、修復する意味はあるのだろうか、と考えても不思議ではない。

巷では、物が溢れかえり、わずか建築後30年程度の家も見放され、空き家となり、親の家を直して住む若者はほとんどおらず、新しい家、新しい家を次々に建てる。

大昔から建築士の世界では、住宅のストックだの、再利用だの大上段に構えた議論がなされてきたが、絵に描いた餅。所詮、日本の住宅の大部分は、住み継いでいくような、アメリカ的な住宅事情にはなかなかならない。

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さて、古民家と言われるものは私の中では、建築後80年~100年以上経過したものを指す。その頃以前の住宅はしっかり作りこまれているものが多いし、構造材が生きている。

問題は高度成長期に建てられた家だ。これはなかなかストックたりえない。要は立て直したほうが、見た目も良く、安くていいものができる場合も多い。

ただ、古民家は違う。

修復し再生すると、新築ではでない味が出るので、私は20年前からその価値を見出し、こつこつと取り組んできた。

大々的な再生ばかりが脚光を浴びるし、私もそういう仕事も多くしてきたが、実はご要望としては維持管理、修復が多いのである。

では果たして大々的なそして、また華やかな、大上段に構えた古民家再生と比べて、修復や修理が重要な仕事ではないかといえば、否である。

我々は所詮、資本主義社会の中の申し子であるとすれば、社会の要請や、需要に答えていくのがその道であると思っている。

超、超高齢社会を迎えている今、修復の仕事は重要な社会的意味を持ってくるだろう。引き継ぐ者がいない中、どのように建物の今後を捉え、どのうような提案をしていくか、その真価が問われる時代となる。

放置されて、ぎりぎりで踏みとどまっている古民家。それを施主の今後の人生までをも考え、予算を組み、いかに再生、修復していくか。

限られた予算の中でどこにそのエネルギーを投入するか。何が施主、建物にとって一番いいことか。深い経験と知識をもとに、真剣に考え、提案しなければならない。

過疎化し、高齢化する地方で、自分たちに何ができるのか。

20年間にわたって、陽の目を見ない多くの建物を修復してきた。一つ一つが、毎回毎回、教科書には出ていない実態を伴った勉強であった。

しかしながら、20年経ち、気が付けば自分にしかできない高い修復技術と知識、そしてそれを実行する会社という組織とネットワークが自分にはある。

今までもこれからも、コツコツと、一件、一件、自分の家を扱う気持ちで、勉強、勉強、この道を究めていくのだ。

私は建築を愛し、建築を志し、建築だけを見つめて歩んできた。私には、それしか社会に貢献し、役に立つことができる方法はない。

人ができないといったものを修復し、再生していくのが私の仕事なのだ。

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