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2019.10.23

水害からの復旧~その5~建築、既存部分をどこまで残して解体したら良いか

水害からの復旧。

台風19号の大洪水からはや二週間近く経過した。真備の大洪水からは一年三か月以上が経過した。

私の会社は90%物理的には復旧してきているが、一年前には元に戻るには果たしてどれだけの月日がかかり、どれだけのコストと人力がかかるか、先が見えない状況だった。今私が言えるのは、多難ではあるが、頑張れば一年で相当なところまで復旧できるということ。希望をもって日々のやらねばならぬことをこつこつとやっていくしかないと思っている。

さて、表題の解体作業についてですが、解体はどこまでやったらいいのでしょうか。

まず、業者に頼む前に自分たちでどれだけやったらいいか、これが迷うところです。もうリフォームはしない、建物を全て解体撤去して、新築する場合は、消毒などする必要もない。直後、家具などのゴミ出しを行い、周りに迷惑をかけない程度に片づけて、その後放置でよい。私の経験では、一割くらいの人は、直後に判断できた人もいたと思うが、多くの人は、たいがいは迷う、判断がつかない。それは、各人の家の被害状況にもよるし、築年数や構造にもよる。もちろん、家族の年齢や子供の時期にもよるだろう。そして、一番は経済的な状況、火災保険が下りるか、どのくらい下りるか等にもよる。よって被災者が100人いれば100人の事情がある。

解体する場合、甚大災害に指定されれば公費解体となる。順番待ちだが、必ず解体してくれる。自費で解体して後で請求することもできる。ただし、行政庁によって、塀や庭は解体範囲外とか色々ルールがある。岡山でも、塀は解体できない、とか庭木の処分はできない、とか言われた。結局私は自費で解体したが、行政からしたら、最低限解体してくれるだけでもありがたいと感謝しろ、ということなのだろう。被災者に寄り添うとは、そんなものだろう。

さて、被災住宅の解体だが、汚泥、汚水に浸かった部分から下は基本的には柱と梁を残して全て撤去するのが基本だ。ユニットバスやキッチン作り付けの家具なども全て。もちろん断熱材やプラスターボード類は一切再利用できない。また照明器具等も一度浸かったものは漏電の危険を伴うので再利用してはならない。

床上1メートル浸水とかの場合、途中でボードを切ることになるが、耐力壁が入っているところは、その耐力を失わないように、切って新しく継いだ構造用合板の下地にはしっかりとした横材をいれておかねばならない。それにCN釘でしっかりと打ち付ける。

しかし、できたらボードや構造用合板の切れ目まで撤去して、一枚ごっそりと継がないように替えられたらベストだ。汚泥に浸かったところから上30センチくらいは予備をみて、撤去したい。汚泥が染みて上がってきている所も多い。上の方から水が引いていっているので上の方ほど、浸水時間が短い。下の方ほど長い時間汚泥に浸かっていたことになる。これは、撤去しきれなかったところを3か月後に見ると、よくわかる。水が引いた直後はわからないのだが、例えば木に塗装してある部分など、浸水時間が短かった上部は、塗装が剥げるのはわずかだが、最後まで浸水していた部分は、ほとんど塗装が残らず、下地までボロボロになっている。

だから、浸水時間が長い、なかなか水が引かなかった地域ほど、建物が受けているダメージは大きいと言える。早く水が引いた地域と比べると、それは相当な差になる。

問題は外壁にまつわる部分だが、これを全て撤去すると建て替えた方がいい、となる。外壁は外から高圧で洗浄、内側からもできるだけ洗うしかないが、ラス板や防水紙の間に入り込んだ汚泥は物理的には取り除くことはできない。できる限り、タワシや歯ブラシで擦り、消毒していくしかない。ただ、リフォーム時、新たに内壁を作るわけだから、しっかり乾燥させて、カビさえ発生させなければ、汚泥がその後部屋内にまで浸透してきて、何か悪さをするとは考えにくい。

また、すべては量と加減なので、しっかり洗浄して、どうしてもできないところが多少残っても、ある程度は仕方ないとして先に進むしかない。結果、私の経験では、現在臭いや、カビなどの問題は起きていない。

 

 

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