古民家再生〜隅木の交換〜築150年
現在、築150年以上と思われる古民家を修復している。
屋根を支える大切な部材、隅木。
もう何度この交換を手掛けただろう。
一番難儀をするところであり、技術力が問われる場面だ。
古い隅木はもうボロボロだった。
150年の風雪に耐えて、屋根を支えてきた。
下から見るとまだまだ綺麗で立派。
だか、私の長年の経験から、交換すべし!と判断は早かった。
案の定、材はほとんど空洞化していた。
元と同じように加工する。
少しでも形が異なると元の処へ収まらない。
大工も神経を使うところだ。
いつも不思議に思う。
150年も前、江戸時代の職人がした仕事が目の前にある。
そして、150年前の職人が刻んだ様に、同じように材を刻む。
150年前の職人がやった事を、今の職人が考えて、あぁ、だからここを削ってるのか、、、と納得して、また同じように仕事をする。
それがどうした?と言われれば答えようがないが、私はそういう事が、ものすごく好きなんだと思う。
そうとしか言いようがない。
ロマンを感じるのだ。感動する。
そういう仕事はそうそうあるものではない。
古民家をやっていると、つくづく自分はいい仕事についたと、毎度思う。
そういう仕事を多くさせてもらえている人生に感謝している。
「建築」
は素晴らしい。
この建築も、見事に甦って欲しい。
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